2012年1月29日日曜日

愛と孤独 地球で最も窮屈な島・コロンビア・イスロテ島

 昨日観たNHK「地球でイチバンきゅーくつな島」はなかなか面白かった。
 その島というのはカリブ海に浮かぶイスロテ島(コロンビア)。わずか100m四方という野球場ほどの広さの島に1247人もの人々が暮らしているというのです。「なんだ、その人口密度の多さは」

 俳優・照英がこの島に住み込んで取材しました。
 びっしり隙間なく建つ家々、迷路のような通路。公園や広場もありません。夜はベットに4~5人が寝て、床にも寝ます。
 田畑がないので農作物は採れないけど、魚は豊富に獲れるので、コロンビア本国とのバーターで成り立っているようです。
 祖先はアフリカの奴隷で、独立を機にこの島に住みつきました。島民全員が親戚同士という大家族島。家族が増えるたびに、支え合って生きる知恵を生み出してきました。警察はありませんが、「最も平和な場所」と呼ばれています。

 もちろん諍いはあります。このときも女たちが洗濯物を干す場所を巡って口論になりました。
 しかし年配のおばさんが割って入りました。「島民はみな家族なのよ」
 仲よくしなさい、というわけです。
 これ、私たちも心当たりありますよね。「和をもって尊しとなす」
 聖徳太子のことばでしたっけ。日本人の美徳とされています。
 しかしこれは日本人特有のもので、外国ではまったく通用しないそうです。それどころかバカにされるといいます。中山 治「日本人はなぜ多重人格なのか」(洋泉社)
 西洋は論争を大事にするので、問題があれば徹底的に話し合い、解決の糸口を見つけようとします。(それが戦争に発展することもありますが)
 しかし日本人は論争をいやがり、「まあ、ここは仲よく」
 外国人から見ると、「なんの解決にもなってない。問題解決の先送りじゃないか」というわけです。

 この問題解決の先送り、随所に見られます。とくに政治がそう。
 財政問題や基地問題。これまで政府は「先送り」し続けてきました。しかし今、そのツケがまわってきました。
 イスロテ島のような小さな島で、価値観を共有するなら「島民はみな家族」で通用するかもしれませんが、わが国ではもう「先送り」は許されません。
 うーん。カリブ海の島からわが国のことを考えさせられるとは、すごい番組だ。
 <和をもって 尊しのツケ まわりきぬ>

 


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