外国語(意思疎通のためのみの道具)として学ぶ英語と母国語(思考作業をも行う道具)として学ぶ英語の差を最も大きくするだろうと思われるのは Language Arts(="国語")の学習の有無です。日本の『国語』の授業で日本語独特の表現方法(だじゃれ、俳句、比喩法、倒置法…)を学ぶことによって、読み書きや友達とのおしゃべりがより面白く生き生きしたものになるように、Language Artsでの表現学習は英語での読み書き、コミュニケーションを楽しくさせる大切な assetになります。このセクションでは、アメリカ人の子供達が Language Artsの授業で学習する基本的な内容を簡単に紹介したいと思います。(各学年のLanguage Artsのカリキュラムプランに目を通したり、英語でなくても、家庭で子供のthinking skills発達を促す際の参考にして下さいね。)日本の国語学習と概念的に同じものでも、学校教育においての重視のされ方に文化的な差があるものもあると思います。Language Artsだけではなく、理科や社会のプロジェクト書式などにも統合的言語学習として含まれていることが頻繁にありますので、注意してみて下さい。
文学的要素
話の組み立てを理解するのに必要な要素で、5W(who・what・when・where・why)1H(how)にあたるものです。低学年ではcharacter・setting・plotを中心に学習し、学年が大きくなるにつれてその他の要素を学んでいきます。リーディングで読んだ話の各要素を書き出すという課題や、自分で各要素を決めて短い話を書いてくるというライティングの課題も出るかもしれません。基本的な6つだけ簡単に紹介します。〔character・setting・plotに関する サンプル練習問題:右側の Goをクリックすると問題開始。左側に短い話、右側に問題が現れますが、途中で話が変わるので注意。話は全部で3つ。〕
【Character】
登場人物。長い物語になると大抵、protagonist(中心人物)とantagonist(中心人物と対立する人物)が存在します。応用レベルになると人物の性格や読者が人物の判断に共感できるか等の分析が求められるようになってきます。
【Setting】
出来事や事件の起こる場所と時間。話によっては場所や時間がはっきり示されていないこともあります。はっきりしている場合は、どのように話の流れと関係してくるかを理解できるかがポイントになります。
【Plot】
何についての話なのか、何が起こったのかという話の内容・筋であり、下記の conflictを把握できているかどうかが重要になってきます。
【Conflict】
話の中で起こる中心的な問題。Protagonistとantagonistが登場する場合は、両者がどんなことで対立するのかということ。
【Resolution】
どんなことがconflictの問題解決につながったのかということ。
【Theme】
筆者が話を書いた目的や理由。話を通してどんなことを伝えたかったのか、読者がどんなことを学べるのかということ。話の中の文章としては直接書かれていませんから、下に述べるinferenceの力が必要になります。
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