学校教育相談室
文学的要素
話の組み立てを理解するのに必要な要素で、5W(who・what・when・where・why)1H(how)にあたるものです。低学年ではcharacter・setting・plotを中心に学習し、学年が大きくなるにつれてその他の要素を学んでいきます。リーディングで読んだ話の各要素を書き出すという課題や、自分で各要素を決めて短い話を書いてくるというライティングの課題も出るかもしれません。基本的な6つだけ簡単に紹介します。〔character・setting・plotに関する サンプル練習問題:右側の Goをクリックすると問題開始。左側に短い話、右側に問題が現れますが、途中で話が変わるので注意。話は全部で3つ。〕
【Character】
登場人物。長い物語になると大抵、protagonist(中心人物)とantagonist(中心人物と対立する人物)が存在します。応用レベルになると人物の性格や読者が人物の判断に共感できるか等の分析が求められるようになってきます。
【Setting】
出来事や事件の起こる場所と時間。話によっては場所や時間がはっきり示されていないこともあります。はっきりしている場合は、どのように話の流れと関係してくるかを理解できるかがポイントになります。
【Plot】
何についての話なのか、何が起こったのかという話の内容・筋であり、下記の conflictを把握できているかどうかが重要になってきます。
【Conflict】
話の中で起こる中心的な問題。Protagonistとantagonistが登場する場合は、両者がどんなことで対立するのかということ。
【Resolution】
どんなことがconflictの問題解決につながったのかということ。
【Theme】
筆者が話を書いた目的や理由。話を通してどんなことを伝えたかったのか、読者がどんなことを学べるのかということ。話の中の文章としては直接書かれていませんから、下に述べるinferenceの力が必要になります。
"私たちが朝鮮戦争に関与したどのように"
内容分析
【Main Idea】
段落や話を読んで、筆者が何をいわんとしているのか主題を理解する練習。初歩的には、各文章が筆者の全般的な考えを述べているのか、考えをサポートする詳細や例を述べているのか、見分ける練習から入ります。応用的になると必ずしも筆者の主題を示す文を探せるとは限らないので、下記に触れているInferenceが必要になってきます。主題か詳細かを見分けられるようになると、教科書など重点的に読むべき箇所がわかるようになる(=理解を深めるためにだけ詳細に目を通す等)ので、単語全てを理解しなければならないという必要性がなくなり、要領よくリーディングができるようになります。また、主題と詳細の区別ができるようになると、授業でもどこをよく聞きどうノートにとったらよいのか…ノートテイキングのスキルも� ��上すると思いますし、主題と詳細の関係を理解することで、他人との日常会話などでもどうコメントしたら話が盛り上がるのか等、言語活動全般に影響を与えます。(例えば、共通の主題下での詳細や例で盛り上がっているところに、前触れもなく主題を無視して1つの例だけに反応してコメントをすると、話が続かなくなったり、場がしらけてしまうことがありますよね。このような場合は、周りが別の主題を共有しているのに、最後にコメントした本人にとってだけ主題はその1つの例そのものになってしまっているため、主題の混乱を引き起こしているという訳。^_^;)〔 サンプル練習問題。〕
【Fact & Opinion】
文章を読んで、Fact(事実)か Opinion(意見)なのかを見分ける練習。はっきり見分けがつくようになると、個々の状況に照らし合わせながら、どんな情報をどんな場合にどんな風に応用すべきか、より効果的な独立した判断力・思考力もついてくると思います。(全体主義や洗脳の対極にあることがわかりますね?)FactはTrue・Falseで証明できるのに対し、Opinionは個人が感じたり信じていることであり、それがよい理由であろうとなかろうとOpinionであることには変わりません。Opinionの文章にはlike、believe、shouldなどが使われたり、たとえば、wonderfulや deliciousなど主観的な評価を表わす言葉が含まれていることが多いです。学校の課題で Opinionを求められているところを"正しく"答えたいがために Factで答えてしまう子供や、Factを求められているところを答えに自信がなくて Opinionで答えてしまう子供もいるので、課題の目的と子供の答え方がマッチしているか確かめてみて下さい。答え方の簡単な確認もFact & Opinionの概念を理解する助けになります。〔 サンプル練習問題〕
【Fiction & Nonfiction】
話の内容が実際の人物や場所、事件などを描写しているもの(=Nonfiction)のか、筆者の想像で書かれたもの(=Fiction)のかを見分ける練習。区別がつくようになると、読書活動において読んだ内容からどんなことを学ぶか・感じるかという面で読み手としての自分と本(話)の関係がわかりやすくなると思います。〔サンプル練習問題〕
学ぶ理由は子供のための引用符
【Cause & Effect】
Cause(原因)とEffect(結果)を見分ける練習。Causeは何故(why)その出来事が起こったのか、Effectは何(what)が起こったのかを指し、区別がつくようになると話のどの部分とどの部分がどう関係しているかわかるようになり、下記に挙げてあるSequencingに見られるような論理的な話の流れも理解できるようになります。結果を表わすのによく使われる接続詞には、so, therefore, consequently, as a result, for this (these) reason(s)などがあります。 〔 サンプル練習問題:接続詞のない2つの文を読んで、どちらがCauseでどちらが Effectとなり得る文か判断する問題。〕
【Compare & Contrast】
比較には2種類あり、Compareは共通・類似点(similarities)を、Contrastは相違点(differences)を比べます。比較することによって、2つ以上のことがらを関連させながら、ものごとや概念を理解したり、要領よく新しい情報を学ぶことができるようになります。Compareしている文章によく使われる言葉には、like, same as, more, similar, likewise, and, as well as, also, too, just as, as do, as did, as does, bothなどがあり、Contrastに使われる言葉には、unlike, in contrast to, different from, less, whereas, however, but, as opposed to, on the other handなどがあります。〔 サンプル練習問題:プリントして利用する練習問題(要 Adobe Acrobat Reader)。〕
【Descriptive、Narrative、Expository、Persuasive】
Descriptive、Narrative、Expository、Persuasiveは作文内容の種類としてよく使われる言葉です。
推論能力
【Sequencing】
モントリオール、ナイアガラの滝の間にキロ
話の内容で起こった出来事の順番を理解する練習。論理的な話の流れがわかるようになると、話の展開を予想しながら読むことで読解がしやすくなるだけでなく、長い話を細かい部分に論理的にわけて理解したり、自分で話を組み立てることもできるようになります。出来事の順番を理解するのに、before, next, last, finally, first, thenなどの言葉がよい手がかりとなります。〔 サンプル練習問題:絵と文がペアになった3つのパネルをマウスで動かし、論理的な話の順番に並べ替える音声付き練習問題(要 Macromedia Shockwave)。〕
【Predicting】
話を読みながら、今までに起こったことを考慮しながら、次には何が起こり得るかを考える練習。主人公の気持ちになったり、文章の中のヒントをきちんと把握する力が必要になります。普段の家庭での読書や読み聞かせでも途中で「この次は何が起こると思う?」と聞くことで簡単に練習できるもの。 〔 サンプル練習問題〕
【Inference】
文章を読んで、本当は何を言わんとしているのか推論する練習。文字通りに理解するのではなく、言葉から伝えられる情報を基に自分の経験から得た知識を応用して行間を読むことが必要とされます。言葉通りの意味の理解ではなく、文脈からユーモアや皮肉を感じとったり、読書をしている間に、主人公の気持ちになってドキドキしたり涙を流してしまったりすることもInferenceになります。アメリカ人は何でも自分の思っていることをストレートに言葉に出すと思われがちですが、それは英語のボキャブラリ不足によって、文脈における言葉の意味の違いや使用される言葉の目的がわからなかったり、文化・社会的な経験不足から、アメリカ人の視点に欠けていて、行間を読まなければならない状況を見落としているためそう感じられる� ��けであり、日常生活では、新聞のコミック欄などにも見られるように、Inferenceが活用される機会が非常に多く、読解にはもちろん、コミュニケーションを円滑にするためにも大切なものです。〔 サンプル練習問題 & 練習問題解答〕
【Author's Purpose】
筆者の書いた目的(理由)を理解する練習。大雑把にはentertain(読み手に面白い話を伝えたり、人物や場所などを面白く伝えたりする)・inform(もののつくり方を教えたり、ものごとを教授する)・persuade(読み手に同意を求める、自分の見方をわかってもらおうとする)の3種類あり、例としては、entertainは小説や絵本などの読み物、informは教科書や料理のレシピ、persuadeは広告や演説などが参考になります。普段のコミュニケーションでも大切なスキルになると思います。相手に同意を求めたいところにinformするような話し方だと説教臭いとか知識をひけらかしていると思われたり、笑いをとろうと思っているのにpersuadeするような話し方だと笑いを無理強いさせられているように思われたり…なんていうことが起こります。〔サン� ��ル練習問題〕
Figurative Language・表現技巧
Figurative Languageは Literal Languageの反対で、言葉通りの意味を表さず、言葉だけでは伝え切れない感情や雰囲気などを表現全体で表そうとするものです。別セクションで触れた科学的文章や語彙と文学的文章や語彙の違いがまさにこの点だと言えると思います。Figurative Languageに見られるような文学的センスを習得すると、言葉が何倍も面白く楽しくなる反面、辞書だけでは対応できない難しさがあるため、文学的読書経験の積み重ねが必要です。下記にFigurative Languageの代表的なものを紹介します。
【Metaphor & Simile】
いわゆる比喩で、Metaphorは隠喩、Simileは直喩にあたるもの。Simileは、日本語の直喩と同じで「〜のようだ。」にあたる like や as と言ったキーワードを使い、何が何にたとえられているのか明示されていますが、Metaphorはキーワードなしに"○○ is/are ◇◇(○○は◇◇だ)."と言い切ってしまうスタイルです。意外性のある比較がより衝撃的で効果があるとされています。《Metaphorの例:"Your eyes are stars!";Simileの例:"Your eyes are like stars!"》〔サンプル練習問題 1 (Metaphorだと思うものをクリックする問題)・2 (Simileだと思うものをクリックする問題)。〕
【Personification】
人間以外のものに人間の動作や感情、特徴をあてはめる表現方法。擬人法。《例:The stars are envious of your eyes!》〔サンプル練習問題 :Personificationだと思うものをクリックする問題。〕
【Hyperbole】
強調するために誇張したおおげさな表現。誇張法。《例:Your eyes are as bright as stars!》〔Hyperbole例の寄せ集め〕
【Onomatopoeia】
擬声語。動物の鳴き声や物音を表す言葉なので、音と意味を関連させて学びやすく、英語の音の感覚も知ることができるので学習するのに面白いと思います。日本語と違って動詞として使われます。《例:click, clap, smash, buzz, meow, clatter, splash, pop》Dr. Seussの絵本などもおすすめ。〔サンプル練習問題 1 (Onomatopoeiaだと思うものにをクリックする問題)・2 (左側の意味を最もよく表している言葉を選択する問題)。〕
【Alliteration】
同じ子音から始まる単語を少なくとも2つ以上並べたもので、よく早口言葉(tongue twister)や詩などに見られるもの。《例:Peter Piper picked a peck of pickled peppers.》〔サンプル練習問題 1 (Alliterationだと思うものをクリックする問題)・2 (Metaphor, Simile, Personification, Onomatopoeia, Alliterationを見分ける問題)。〕
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