草木も眠る丑三つ時。エジとリビアの国境付近のヤバーニイモヘテプ。ありったけの洋服を着、マフラーぐるぐる巻きで、やって来ました。アブ神殿。ひゅるひゅる〜と強風で寒い寒い。
この極寒の中、ナセル湖に昇る、「太陽円パン」を見るのだ。(モハは太陽のことを必ず太陽円パンと言う)到着が早いみたいで、見物客はまだ少ない。昨夜のショーの人数を考えるともっと沢山来るはずだ。
2つの神殿を良い具合に眺められるベンチで一眠りする。Tさんはベストショットをどこで撮るか歩き回っている。チタンとTさん奥様は照明で暖をとりつつ喋っている。こちらから見ると主婦の井戸端会議at アブシンベルだ。凄く寒いのだけど、こんなに大昔の建築物を寝ころんで見れるなんてなかなかできる物じゃないので、我慢して固まる。
ご存じの通り、アブシンベル神殿はダムの建設で水没の危機にさらされ、移築された。費用は4000万$!(3分の1をUSAが負担している)同様に今日この後訪れるイシス神殿、残念ながら素通りのガラブシャ神殿など10以上の神殿が移築された。
アブシンベル神殿のご本尊は2月22日と10月22日に限り太陽の光を受ける。しかし移築前は2月21日と10月21日に陽が入る設計になっていたのだ。移築の時に計算間違いがあったのか、何故かは凡人イモヘテにはわからないが1日ずれたのである。とにかくまぁ大昔の人が凄い計算力を持っていたことは確かである。
ナセル湖の日の出
太陽と共に徐々に明るくなってきた
朝日を浴びるラム2爽やか!
明るい!3000年以上も日の出を見ているラム2
奥様神殿も明るいぞ!
なんともいつもとは違う、特別な朝がやって来た気分。太陽が出てくるときに銅鑼の音がしそうだ。そしてアイーダの凱旋曲が流れるんだ。ファラオの朝は東京のお気楽主婦の朝と違う。堂々と太陽を浴びるラム2は貫禄充分。
神殿の門が開く。でも誰も入らない。日の出を見たら皆すぐにいなくなってしまう。チタン、イモヘテは「もう一度見ておこう!」と吸い込まれるように中へ。神殿内も荘厳な感じがする。昨日見た内部は「観光名所」だったが、今朝は「神殿」な感じ� ��本当に神様がいるような気がする。昨日から、ここでどっぷりとラム2に浸かることができた。昼夜朝違う表情を見た。レリーフをさわり、匂いをかぎ、僅かな乏しい知識で思いっきり想像した。3000年以上前の超偉大なファラオは今凄く身近に感じる。
このアンクは神殿の扉の鍵。
おじさんは凄く親切だった。
昨日とは違う。ラム2がここに招き入れてくれた様な気がする(チタン撮影)
朝日の中のアブシンベルは感動感動だった(チタン撮影)
ラムセス2世。治世67年。愛するネフェルタリのために1番美しいお墓を作り、大きな神殿をプレゼントした。沢山の建築物を3000年以上も残している。こんなラム2もイモヘテプと同じ脚と腕が2本ずつ� �目耳は2つ。口と鼻は1つ。欲張りで派手好きで本当にちっぽけな人間。ちっぽけな人間の中にも「やるヤツはやるんだな」と思うが、違うかな、格好つけずにやりたいだけ、超わがままに生きたんだ。
でもメンフィスの倒れラム2とは全然違う、偉大なファラオを見た。今から倒れを見たら、印象が違うかもね。考えると人間味たっぷりで、ラム2は可愛い。凄い物を残してくれて感謝だよ。派手好きで良かったよ、あんたはちっちゃな人間の代表だよ。むき出しの人間ラム2! そしてユネスコと砂は保存しておいてくれて嬉しいよ! 東京に戻ったらさぁ、こずかい少しだけでも世界遺産に寄付するよ。なんだか凄い間違いがおきてイモヘテが平成のファラオになったら倒れを立たせてあげるよ! 期待しないでよ! ミイラ� �日本に来ることがあったら旗振ってお迎えに行くよ! ファラオの中のファラオ、超生身の人間ラム2よ永遠なれ!」
どのように私は、モータのオイルを測定しない
ホテルへ戻り朝ご飯を食べてアスワンへ向かう。なんだか呆然としたまま。チタンとTさんは空港でアブシン音と光のショーのビデオを買った。ヤバーニ4人組はアブシンを満喫したのだった。ところで昨晩のエジVS日本のサッカーの試合は日本の勝利だったそうだ。
アスワンへ戻りフィラエへ・・「失われた文明」というビデオを見てからエジに出発したイモヘテプはイシス神殿を楽しみにしていた。National Geographicのエジガイドにも「エジで最もロマンチックな遺跡」とある。だいたいキャッチフレーズが「ナイルの真珠」なんだ! このガイドブックはここの音と光のショーが一番良いと書いてあるし・・・。
ここもアスワンハイダムの影響による水没から助けられた神殿だ。水没してしまったフィラエ島に建っていたが、アルギア島に移築、アルギアはフィラエ島と改名している。その名の通りイシス女神を祭った神殿がある。ショーは1番、「ナイルの真珠」、最もロマンチックな遺跡のイシスはこれまた大人気女神であ〜る。凄い霊力があり、オシリスの妹にして妻!セト神(謎の動物)にバラバラ殺神されたオシリスをつなぎ合わせて最初のミイラを作った。しかもホルス神(鷹)を妊娠!
イシス信仰はイタリアやガリア(� ��フランス)まで広がったという。なかなかの人気ですなぁ。でもイモヘテプの弱小な脳みそにはバラバラ殺人後、死体をつなぎ合わせる変な人が近親相姦のあげくに鳥を出産?!という、かなり気味悪い情報としてインプットされている。
さぁボートに乗って出発しましょう。白いボートにストライプの屋根、濃い青のナイルと薄い青空、太陽円パンは大きい! リゾート気分だ。この風景は昔何かの映画で見たことがある気がする。船着き場にはござを敷いた土産物屋が並ぶ。ヨーロッパ人にはつきまとうようだが、ヤバーニにはつきまとわない。エジを旅行するヤバーニは相当財布が堅いのかも・・美辞麗句づくしの神殿への風景は確かに楽しく、美しい。ヨーロピアンが好みそうな感じ。と思っていたのだけどぉ・・・。
ボートからの景色
到着! ここもポリスのお迎えだ。「ヤバーニ?ヤバーニ?」とモハに聞いている。「昨日の試合は負けて悔しいよ」と言っているらしい。「誰が決めたか知ってる?」と尋ねたが「ラ! ナカタ、ナカタ〜」だって、中田は出ていないのにさ。エジ人に中田英寿選手は大人気でよく名前を耳にした。というより日本人プレーヤーでは中田しか知らないのだ。中田だけでも知っていて貰える事の方が凄いかな?サッカー好きとしては世界のトップレベルで活躍する中田の存在が誇らしい出来事だった。
ところで神殿は遠目に見ると確かに美しい。ナイルと空の青と緑も多く、白い神殿がとても際だっているのだけど、荒らされている。期待していただけにかなり、がっかりだ。
この神殿ではロ ーマ帝国の支配下でキリスト教の布教が進む中、最後までエジの神様を祭り、祈りを捧げていた。ここは古代エジの最後の神官がいた場所だ。しかしまぁレリーフの破壊は痛々しい。この神殿に限ったことではないが、熱心な他宗教の信者ほど、こういう風に平気で傷つけられるのだろうか? 自分が信じない宗教でも、芸術的価値や歴史的価値を考えないのだろうか? 勿論建物だけ大事にしろと思っているんじゃない、石の壁をぐりぐりやるような奴らは人間をどんなひどい目にあわせたことか!
悲しいことに宗教に関わった争いは現代でも終わらないようだ。ちっぽけな人間は大人数になってもちっぽけな大人数でしかないのかもしれない。一人は一人の知恵しかないが、100人集まったからと言って100の知恵があるわ けではなく、50の知恵に50の悪知恵なのかもしれない。大昔の破壊を見ることができるというのは良い勉強であり、平和考えさせられるよい機会ではある。いつの間にか「imagine」を口ずさんでいたイモヘテプ様、ナイル川を眺めつつ途方に暮れる。
中はこんなに暗い。
エジ旅行最後の神殿見学が終了した。帰りのボートには土産物屋も一緒に乗り込み、モハの了解を得て売り込みを開始する。「ラ!」というとすぐにあきらめるから良いのだけれど、岸に着くまでが気まずい。明るい景色の中にいるのになんだかはしゃげなくなるのだった。
HRR硬度は何を意味するのでしょうか?
車はずんずん坂道を上る。宅地造成中のような、それとも昔っからこのままのような、とにかく荒れた場所を進む。イモヘテ的にはなんだか「悪者」が出てきそうで、犯人のアジトに向かうような気分で楽しいのだが、T夫妻は不安そうだ。このように書くと、どんな楽しい秘密の観光地へ行くのだろうかと想像するでしょうが、ただ昼ご飯を食べるだけなんだな。くねくねくねくね走っているうちに、ピンクのペンキべとべとのホテルに到着。
こんな所にも小さなおうちが・・・
ここのホテルにも例によって客はいない。レストランだけでなくレセプションにも誰もいない。たまには混雑した中でご飯が食べたいものだ。外観はべっ� �りペンキのアメリカンなデコレーションケーキのようだったが、中にはいるとちょうど良い具合にくたびれていて、こぎれいで気持ちがよい。イモヘテプ好みの宿だ。「なんだぁ。空港再利用ホテルよりここに泊まりたかったなぁ」とチタンに言うと「嘘でしょ?」と言われた。例によって、誰もいない店で、飽きたメニューの質素な食事が始まる・・とヤバーニ四人は考え、気分はナイルよりブルー!!
するとあなたっ! どうしたことか、今日の昼は焼き鳥で大きなお皿に、焼鳥と野菜が盛られているではないの!肉の色からして塩味だ! ヤバーニ4人「わ〜豪華だ」と喜んでかぶりつく。久しぶりの塩味はありがたい。前にも書いたけれど、鶏肉は日本よりおいしい! 前菜からデザート(=みかん)まで一応出てきた。食事 には泣かされ続けて7日目の昼、山盛りのメインディッシュは初めてであった。涙涙。
ペロッと完食したところで、私たちには問題があった。アスワン〜カイロのフライトは2時。今は12時。2時間も空白の時間があるんだ。ヌビア博物館へ行くアイディアも出たが、博物館は昼休み中と言うことで却下。
さぁどうする? モハに聞くと、このホテルのフェンスで閉じられたプールを眺めて二時間座っていろと言う。なんだそりゃ? 何か良い考えがあるならいいけどないでしょ?みたいに言われる。おいおい。何か無いのか? どこかこの眺めの中に、ヤバーニの行くべき所がないのか? めちゃめちゃ焦る。万年宅地造成中のこの場所からは遠目にナイルが見える。ナイル脇にこんもりとした緑が見える。「・・・あれは� �んだい? 公園?・・・」あれは・・・・・オールドカタラクトだぁ〜い!!!
イモヘテプはハワード・カーターがツタンの王墓を発見した以来の大発見をしたのであった。チタンも大騒ぎだ。「お茶しようよ! カタラクトでお茶しようよ!」T夫妻もここで謎の時間を過ごすよりいいだろうと賛成してくれて、急いでオールドカタラクトへ向かう。
オールドカタラクトへ入る。わくわく。
オールドカタラクトと言えば、おなじみアガサ・クリスティが「ナイル殺人事件」を書いた宿であり、その作品にも登場するのだ。創業が1899年(明治32年)。このホテルでさえ100年以上前からあるのだ。ヨーロッパの暑苦しいドレスを着たおばさん達も泊まったことだろう。今日は東京から埃くさい上にうさん 臭いおばさんがやって来たぞ! 貧乏だから泊まらないけどね。
川沿いのテラスでお茶をするのはなんとも気持ちがよい。ここから眺めるナイルは絶景だ。さすが100年前に1番の絶景ポイントにホテルを建てたと言うことかぁ・・・「今度は絶対にここに泊まりたい!」と叫ぶと「さっき、ピンクのホテルに泊まる」って宣言したでしょ!とチタン様に注意を促される。ケーキもコーヒーも美味しい。慣れ親しんだ味だ。モハに「何か飲んだら? ごちそうするよ」とチタンが言う。最初は遠慮していたのにモハに運ばれてきたのはてんこ盛りのアイスだった。さすがエジ人、若い男も甘党だ! と言うわけで2時間の空白の時間はスペシャルなティータイムにかわり満足満足でアスワンを後にしたのだった。
絶� ��〜!!
下エジとはお別れし、とうとう最後の夜だ。なんだか寂しい。今日カイロに着いたら、ハンハリーリに行き、ナイル川ディナークルーズの予定だ。アスワンではまだ明るかったのに、カイロは夕暮れで久しぶりの騒がしさに浸る。
♪ハンハリーリにちょいとよりーり〜ごちゃごちゃくさくさたのしいよ〜♪
空気砲は何ですか
ハンハリーリ周辺は騒がしさ倍増! ぐちゃぐちゃだ。モハはハンハリーリのメインの細い1本道だけ歩いていいという。後はどこにも行っては行けないと言う。「そりゃつまらないじゃないの! むっ」お土産はすべて買ったし、細いメインストリートは凄い人でうるさく1回歩くともうおなかが一杯だ。T夫妻も、もういいと言っている。
行ったり来たりしていい一本道(チタン撮影)
集合場所のカフェに戻ると、あまりの早さにモハはびっくり! 車は時間にならないとここへ迎えに来ない。仕方なくカフェで待つことにするが、Tさん奥様はこの町の独特な匂いにやられてしまったらしい。イモヘテの友達にも沢山いるのだが、香辛料のような饐え� ��匂いが苦手なんだ。カフェにも入れず、外で待っているという。自らが埃くさいイモヘテは、やはり名物の水たばこを試してみなくては、真のイモヘテプとは言えないので、「苺味」をお一つ。
真剣に水たばこマシンを購入しようかと考えた。これって凄くダイエットにいいんでないの? マシンの底にある水がボコボコいうまで吸い込まなくてはならず。めちゃくちゃ腹筋を使うんだ。最初はそんなことも知らず、スーハースーハーしてこんな物か?と思っていたら、前に座るおじさんが笑っているではないの!? イモヘテに見本を見せるかのように、吸ってみせる。会話はしないのだが、明らかに「おじさんの水たばこ講座」なんだなぁ。腹筋を使って吸うと初めて甘い苺味がした! 内臓に苺充填であ〜る。おじさんに教わら� �ければ、苺かどうかわからなかった。毎日30分一服すればおなかはへこむだろうなぁ・・・
カフェのメニュー。何が書いてあるか全く想像がつかない
カフェの天井
隣の席には「平井堅めがねの部」が人を待っている。するとそこへ小さな小さな猫がやってきた。なぜか「平井堅めがねの部」のセーターが気に入ってそこで眠ってしまった。猫を起こさないようにじっとしている優しい平井堅。
やっと車が到着。猫と平井堅に別れを告げて車に乗る。乗ったそばから大渋滞で、ひょいと隣の車を見ると水たばこの師匠が乗っている。「わぁおじさん! バイバイ〜」と手を振る。またもや会話はなく、おじさんも手を振る。このおじさんイモヘテプより若かったら衝撃だなぁ・・・エジ� ��は老けているので会う人皆おじさんと呼んでいるが、意外と年下だったりして〜の謎が日々深まっている。チタンとイモヘテ・・・。
ホテルへチェックインして着替えて「ナイル川ディナークルーズ」とやらに出かける。ホテルのブッフェ以外はいつも質素な食事だった。このディナークルーズも期待してはいけない。チタンはこのクルーズの後に、石鹸を買うためにヒルトンのモールに行きたいとモハに交渉している。最後の買い物天国だ。
少し綺麗目の格好をしてディナークルーズに向かう。カイロで世話になったドライバーのアハちゃんも来るという。モハ曰く、ベリーダンスのお姉様はナイスバディで美人らしい。大した美味しい料理もなく、民族舞踊とベリーダンスショーが始まった。何が見物だったかというと男性 陣の目つきだった。特に観光客についてきたエジ人男性は公然と露出した女性を見る機会がないらしく、超うっとりして溶けそうな顔をしている。ベリー姉さんの後ろで太鼓を叩く若者なんてもうトランス状態! 「うぅ〜ん僕と君だけの世界うっとり〜」に突入していて正直、踊りを見るより太鼓男を見てる方が楽しい。
くるくる回る民族舞踊(スゥーフィーダンス)神に近づくため、くるくる回ってトランス状態になる踊り。
大いに笑い転げていたら、お客も一緒に踊りましょうタイムに引っ張り出されてしまった・・・とほほ・・・一緒に引っ張り出された金髪女性がイモヘテプに向かって「I can't! I can't!」と訴える。イモヘテプの場合はそんなこと言ってる場合ではない。イモヘテプ様は「鉄の体ヤバーニ代表」に選ばれるくらい体が硬いんだぜぃっ! ベリー姉さんはむにゅむにゅとおなかを回す(近くで見ると結構な贅肉・・)やってみろってか? イモヘテプぐ〜るぐ〜る見事な腹を回す。「はいっ帰ってよし!」背中を叩かれ、席へ戻る。落第したらしい・・・。
セクシーベリー姉さん
この後、アスワンハイダム建設の仲からか? 何故かロシア人のでっぷり姉さんが2人出てきて、やる気のない中途半端なパラパラ踊りを披露する。姉さん達のやる気のなさに、こちらとしても見る気がしない。外で夜景でも撮影しよう。
船からの夜景 もうすぐナイル川ともお別れ
外は寒く、結局は船内でロシア姉さんの寒い踊りを見ることにする。う〜寒い。この雰囲気を察してか、ボーイさんによるテーブルナプキン芸が始まった。助かった。
つまらなくても、しょぼくても時間はどんどん進み、ディナークルーズも終わりの時間となった。アハちゃんとは今日でお別れだ。お礼を言って握手をする。言葉は通じないがアハちゃんは誠実な感じがする、良� �ドライバーだ。
ホテルへ戻り、T夫妻を降ろし、チタン・イモヘテは石鹸やへ向かう。イモヘテプ様は相当な眠気が襲ってきている。モハとチタンの「ヒルトンモール」にくい違いがあったらしく石鹸屋は見つからない。もうイモヘテは眠いのでついて歩く。う〜ねむねむ〜。宝石屋の人に石鹸やを聞くとクローズしたらしい。ここでチタンは別の「ヒルトンモール」だと気付き、モハに訴えるが、モハは頑固で「ヒルトンモールはここだけ〜」などと言っている。イモヘテプは「もう眠いからなんでもいいや」になっていたのだが・・モハは何故か洋服屋に向かう。ここの店員にも石鹸屋のことを聞くらしい。
「はぁ〜い! にこにこ」となんだかこの旅始まって以来!きらきらと輝くイケメンが登場!! なんじゃこりゃぁ! モハと握手している。どうやらこのイケメンはなんたることか、このモハの友達らしい。あらあら100年の眠りから覚めるようだわ。チタンも石鹸のことは忘れている。背も鼻も高く、センスも良く、平井堅ではない爽やかエジ人だっ! 1000エジプトポンドの笑顔(←それっていくら?)ちょっとイモヘテプも挨拶くらいしたいわ。と思っているのに日頃のいじめの仕返しに紹介すらしてくれない。でもこのエジイケメン爽やかな笑顔で見送ってくれた。
「ここにはありません。帰りましょう」とモハ。「おいおい。なんだよ。モハは帰っていいからあのイケメンくんとカイロ見物がしたいですう」勿論却下。
結局ホテルへ・・・エレベーターに乗り込むまで見張られる。チタンは石鹸屋のことで怒っている。なんだ� �。あんなイケメンがカイロにもいるんだ〜とイモヘテは感心している。しかもモハと友達とは・・・まぁ友達は顔で選ばないもんね〜とチタンにしきりに話しかける眠りから覚めたイモヘテプ。
モハは初めからそうだった。ガイド初心者のくせに自分の間違いを認めない。今日のオールドカタラクトだって300年前に作られたという。1899年完成なんだから100年ちょっとでしょと教えると「ガイドブックはよく間違いを載せている。ガイドブックが間違い」という。そんな出来事が各地であった。いつもガイドブックが間違っていると言うのだ。
石鹸に関してもチタンが行きたかったのは「ナイルヒルトンモール」でモハが連れて行ってくれたのは「ラムセスヒルトンアネックス」ガイドブックを見せてあったのにモハは間 違えている。3日目バハレーヤで「ナツメヤシのお菓子はここにしか売っていない」と言ったが、ルクやアスワンのスークでも売っていた。しかもそのナツメヤシのお菓子は1箱400円という超強気な値段でモハからチタンに売買された。彼の場合ガイドというより係員の役割に近かった。と部屋に帰り、チタン、イモヘテはモハのやったインチキくさい行動を発表しあった。「あ〜そうか! あのとき変だったよ」「えっあれもそうだったの? 気がつかなかった。」などと疑惑の嵐は2人の部屋に激しく吹き荒れたのだった。
「そんなこと言いつつも明日で終わりなんだよね〜」大きく広がった鼻の穴も、パワー全開だった鼻息もしぼむ・・・こんなインチキに遭遇しながらも、明日、日本に帰るのが寂しくて仕方ないんだ。2 人とも・・・。
最後の荷物詰め。あれもこれも捨てていこう。悔しいけれど食べ物はモハにあげよう。ガイドブックもくたくただし、モハには勉強してもらって、良いガイドになってもらうためにあげよう。でもさ、次に来るときは立派なガイドさんお願いするんだ。アブシンで写真撮ってくれたガイドさんは凄く親切だった。ルクで会ったガイドさんも日本語が上手でしっかりしていた。モハ以外のガイドさん達は皆一生懸命で旅行者に付き添い、色々な説明をしてたもの! モハだけだよ、集合場所でたばこ吸ってるのは・・・。
エジプトはナイルの賜物。エジプト旅行の成功はガイドの賜物さ! 次に来るときは素晴らしいガイドを!と心に誓うのであった。
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